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zoom RSS 『ベルギー奇想の系譜』展を見てきました

<<   作成日時 : 2017/09/21 23:28   >>

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開催中の『ベルギー奇想の系譜』展を見るため、東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムへ行ってまいりました。
長年美術館めぐりをしてきましたが、Bunkamura内にあるこの美術館に来るのは、はじめてです。

画像

会期終了まで、あと3日ほどに迫った展覧会を、今さらのように取りあげてすいません。
実はこの展覧会、ペルー旅行に行く前に見ていたのですが、旅行の記事を優先したために、こんなに後になってしまいました。


さて、今まで僕は絵を見るとき、その作家がどの国出身かということに、あまり注意を払っていませんでした。
(もちろん、なんとなくはわかっているのですが)
そのため、ボスとマグリットが同じ国出身だということに、この展覧会を見てはじめて気づいたのでした。

ベルギーといえば、ヨーロッパの中でも小国のうちに入ると思いますが、なぜこの国にこうしたイマジネーションと幻想性に富んだ画家が多くあらわれたのでしょうか。
ボスとマグリットでは、その時代も画風も大きく違っていますし、こうして系統だてて見せられなければ、彼らの共通性に思いいたることはなかったと思います。
しかしいわれてみれば、その精神性の根幹のような部分で共通するものがあるように思えてきました。


展覧会は第1章、ボスやブリューゲルら、15〜17世紀のフランドル絵画から始まります。
ちょうど少し前の『バベルの塔』展でブリューゲルやボスの絵画を見たばかりだったこともあって、彼らの奇想天外な絵の世界にも、すんなりと入っていくことができました。

それにしても、大家ブリューゲルも当初はボスのフォロワーとしてあらわれたことを考えると、ボスという画家の偉大さがわかります。
いったい何に着想を得て、あの時代に『快楽の園』のような奇天烈な絵を描いたのでしょうか。

第2章、19世紀末から20世紀初頭の象徴派・表現主義の展示を経て、
いよいよ第3章、20世紀のシュルレアリスムから現代まで、に入っていきます。

僕は今までマグリットのことを、シュルレアリスムの作家の中では、それほどイマジネーションに富んだ存在とは思っていませんでした。
しかしこうしてボスから綿々と続く幻想作家の系譜に位置づけてみると、その見方は変わってきます。

この第3章で印象に残ったのは、やはりトマス・ルルイの『生き残るには脳が足らない』でしょう。
肥大化した頭部は、知識で頭でっかちになった現代人を揶揄しているようでありながら、よだれを垂らしたその姿はあまり知的には見えません。
この奇妙な作品自体痛烈な文明批判になっていそうですが、単純にユーモア作品として見ても楽しめます。


フランドル絵画やシュルレアリスムといった流派・流儀での分類ではなく、ベルギーというひとつの国に焦点を当てた今回の展覧会。
なかなか新鮮でしたし、いつもは同系列に見ることのない作家をひとつのくくりで見ることで、新しい視点を得ることができました。
これからも、こうした催しが増えればいいと思います。

もう会期はいくらも残ってないですが、興味をお持ちの方はぜひ渋谷まで足をお運びください。



〈観覧日:2017年8月7日(月)〉




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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
面白そうな作品ばかりですね

アルチンボルトといい 魅了される展示が 続いてますね

ベルギーというと ワッフルとすぐに思っちゃう 食い意地のはった自分ですが  フランダースの犬も思い出されちゃいます

面積的に狭くとも 芸術・文化に富んだ国なんでしょうね

ふっる〜い話で恐縮ですが 1970年の大阪万博で ベルギ―館で ダイヤモンドの原石やら 磨かれた巨大ダイヤを見た記憶が鮮明にあります  どうでもいっか〜


ベルギーへの旅も また 楽しみな感じです

わたしは ボストン美術館の収蔵品の展覧会へ 来月早々に行こうと思ってます  もうじき会期終了です
メミコ
2017/09/22 09:39
なるほど、奇想の系譜。
言われてみると、マルグリットの絵も、
かなり奇妙な感じですもんね。
芸術の世界にも、受け継いだDNAが
確かにあるのかも知れません。
ルルイの作品、ネットで見ました。
奇妙だけど、うん、分かるというやつです。
yasuhiko
2017/09/22 14:15
メミコさん、こんにちは。
はい、面白い作品ばかりでした。
たしかにベルギーは小国でも、こうした興味深い作品を生みだす風土や国民性があるのでしょうね。
僕もボストン美術館の至宝展はすでに見ていて、こんどこのブログでもご紹介する予定です。
いつもコメントありがとうございます。
家ニスタ
2017/09/23 11:40
yasuhikoさん、こんにちは。
『奇想の系譜』としてボスやブリューゲルとマグリットを同一軸上に並べて見せた発想に脱帽しました。
ルルイの作品は会場で実物を見るとかなりインパクト強いです。
会期終了までもう間がないですが、もし時間があったら実物をご覧になってみてください。
いつもコメントありがとうございます。
家ニスタ
2017/09/23 11:43

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