『カルテル・ランド』を見てきました

公開中の映画、『カルテル・ランド』を見るため、東京は渋谷の、シアター・イメージフォーラムへ行ってまいりました。
『カルテル・ランド』は本年度アカデミー賞のドキュメンタリー部門にもノミネートされた、メキシコ麻薬戦争に題材をとったドキュメンタリー映画です。

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イメージフォーラムには、これまた論争を巻きおこした映画、『不屈の男アンブロークン』を見るときにも来ましたっけね。
社会派の映画を多く上映している映画館です。

〈以下ネタバレあり〉
メキシコ・ミチョアカン州では、麻薬カルテルが幅をきかせ、人びとは恐怖におびえていました。
カルテルへの上納金をおさめることを拒んだ会社の労働者やその家族が、残忍なやり方で殺されるなど、カルテルは極悪非道なやり方で地域を支配していました。

州政府や警察はカルテルとグルになっており、まったく当てになりません。
そんな中一介の医師ミレレスは、カルテルの横暴に対抗するため自ら銃をとり、自警団を組織して立ちあがります。

はじめは民衆の支持を得て、カルテルの支配地域を大きく奪還していく自警団ですが、やがて組織が大きくなったことによる弊害があらわれはじめます。
自警団の一部のメンバーは掠奪や拷問をくりかえし、いつしかカルテルと見分けがつかないほどになっていきます。
しだいに民衆の支持もうしなっていく自警団。

やがて政府から、おどろくべき提案がなされます。
カルテルとの関係さえうたがわれる、腐敗しきった地方軍の配下に、自警団を組み入れるというのです。
地方軍への編入には最後まで抵抗するミレレスですが、他のメンバーは政府の提案を受け入れ・・・。
というストーリー。


善と悪の境界さえさだかではない、混沌としたメキシコの状況に、強い衝撃を受けました。
警察や軍は腐敗しきってカルテルと手をむすび、頼りにしていた自警団さえ、その腐敗した軍に組み込まれていく・・・。
民衆はいったい、だれを頼ったらいいのでしょうか。

メキシコ好きを自称し、かの国のことはある程度わかった気になっていた僕も、こんな状況はまったく知りませんでした。
「治安の改善」、「カルテルの撲滅」と簡単にいいますが、カルテルが軍や警察と結びつき、複雑に入り組んだ状況では、すっきりした解決策など、今後数十年のあいだには見つかりそうもありません。
まったく出口の見えない状況は、ちょうど内戦中のシリアに見られるほど複雑で、この国の将来を考えると、暗たんとした気分になりました。
これはまさに戦争です。

いつもはこういう社会派のドキュメンタリーを見て、「勉強になった」「考えさせられた」と書くのですが、今度ばかりはそんなふうに簡単にまとめる気分にはなりませんでした。
なにしろ、まったく解決策が思いうかばないんですから。
見たあとにどんよりと重たい気分になる映画でした。


★★★★☆
爽快な映画というのにはほど遠いですが、いつかこの問題が解決することを願って、ホシ4つです。




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シアター・イメージフォーラムです。


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夜の渋谷の街。





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この記事へのコメント

2016年05月13日 17:09
どんより気分が残りましたか。
それがドキュメンタリー映画の宿命
なのかも知れませんね。
民衆の気持ちを代弁するような形で
旗揚げした自警団が、戦闘を
繰り返す内に、相手と同じような
非人道的な面を持ち始め、コントロールを
失っていくという話の展開は、
世界の紛争地のどこでも起りそうですね。
お話聞きながら、泥沼の内戦に
苦しむ多くの国々の事を連想しました。
家ニスタ
2016年05月13日 22:31
yasuhikoさん、こんばんは。
はい、どんより気分が残りました。
メキシコの場合、名目上は内戦にまで行っていないにもかかわらず、このような状況が起こっているので、より救いがたいような気がしました。
一番の問題は腐敗した警察や軍なんですけれど、かといってそれを正すには総とっかえをせざるを得ず、現実的ではありません。
即効性のある解決策は、まったくない状況です。
などと書いているあいだに、またどんよりした気分になってきました。
いつもコメントありがとうございます。
ここなつ
2016年05月31日 12:55
こんにちは。
弊ブログにもご訪問下さりありがとうございます。
「なにしろまったく解決策が思いうかばない」…麻薬戦争は、もしかしたら国家間の戦争よりもむしろ着地しにくいものなのでしょうね。
家ニスタ
2016年05月31日 22:14
ここなつさん、こんばんは。
国家間の戦争より、一般に内戦のほうが事情が複雑になり、長引きますよね。
ましてこの場合、ゲリラともいえないギャングとの戦いですから・・・。
警察や軍まで癒着しているとなると、本当にどうしたらいいのかわからないですよね。
コメントありがとうございます。

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  • 「カルテル・ランド」

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  • 「カルテル・ランド」(2015年、アメリカ)

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