『ゴッホとゴーギャン』展を見てきました

開催中の『ゴッホとゴーギャン』展を見るため、上野の東京都美術館へ行ってまいりました。

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僕がフィンセント・ファン・ゴッホという画家を意識しだしたのは、そう昔のことではありません。
2010年の『ゴッホ展~こうして私はゴッホになった』のときに、職場で割引券をもらって、見に行ってきたのがきっかけです。

シュルレアリスム好きの僕にとって、それまでのゴッホの印象といえば、ありきたりとまではいわないものの、とくに新奇なところのない、“ふつうの”画家にうつっていました。
ところが、2010年のゴッホ展でまとめて彼の作品を見るうち、
「こりゃふつうの人間に描ける絵じゃねーぞ」
ということがわかってきました。

とくに、背景がぐるぐると渦をまいている表現など、完全にあっちの世界の住人でなければ描けないものです。
あっちの世界とこっちの世界の中間に位置するような絵が好きな僕。
それ以来、ゴッホは好きな画家のひとりになりました。


今回の展覧会のもうひとりの主人公であるポール・ゴーギャンは、長らく画家というより文学の登場人物として認識していました。

モームの『月と6ペンス』の主人公が、何人かの人物が融合しているとはいえ、主にゴーギャンをモデルとして書かれていると思われること。
僕の大好きなバルガス=リョサの『楽園の道』が、もろゴーギャンをモデルとした小説であること。

こうしたことから、ゴーギャンの名前自体にはなじみがあったものの、彼の作品をまとめて見る機会はこれまでありませんでした。


ゴッホとゴーギャン、という似たところもあり、また似ていないところもある2人の画家の作品を一堂に集めた今回の展覧会。
2人の作品を比較しながら見る、というまたとない機会を与えてくれています。
会場には2人の代表作もいくつか来ており、習作やデッサンの少ない、密度の濃いものになっていると思います。

ゴッホが心待ちにした、2人のアルルでの共同生活は、よく知られているとおりわずか2か月で悲劇的な結末をむかえます。
しかし、その後もゴッホはゴーギャンへの敬意をことあるごとに表明していますし、ゴーギャンは表だって語ることはなかったものの、やはりゴッホという画家に敬意をもっていたようです。
本展覧会は、そうした2人の微妙で複雑な関係について考えることのできる、絶好の機会だと思います。


それでは、いつものようにおみやげの絵ハガキをスキャンしたものから、今展覧会に出展されている作品をいくつか見ていきましょう。

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ファン・ゴッホ 『収穫』
画面いっぱいに奥行きある風景が広がり、農民の生活もかいま見える、傑作だと思います。


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ファン・ゴッホ 『ジョセフ・ルーランの肖像』
ゴッホらしい明るい色彩で、楽しい感じのする絵。
肌の表現などに印象派の影響が色濃く見られ、狂気じみた表現はまだあらわれてきていません。


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ゴーギャン 『葡萄の収穫、人間の悲惨』
アルルで目にした光景に、ブルターニュで見た女性を配したものだそうで、こうした現実にこだわらない、一種の幻想性はゴーギャンの持ち味ですね。


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ゴーギャン 『タヒチの3人』
ゴーギャンのタヒチ時代の代表作。
左の女性が持っているリンゴは、キリスト教的世界を暗示しているのだそう。


ゴッホとゴーギャンの名画が、一堂に会した今回の展覧会。
興味のある方は、ぜひ行ってみてはいかがでしょうか。


最後に、東京都美術館点描。
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日暮れ時の美術館です。


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館内のいたるところに『ゴッホとゴーギャン』展の看板が。


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ゴッホの作品にも出てくる、ゴッホとゴーギャンそれぞれの椅子の再現です。



観覧日:2016年10月21日(金)



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この記事へのコメント

2016年10月25日 22:06
ゴッホとゴーギャン展、秋に見るのにすさわしい展覧会ですね。私もこの二人の作品を数々鑑賞してきました。
二人ともその人生を知ることによって、より絵の深みを感じることができる画家ですよね。
家ニスタ
2016年10月25日 23:08
ミクミティさん、こんばんは。
ゴッホとゴーギャンのエピソードについては、なんとなくはわかっていたものの、詳しいことは知りませんでした。
今回、二人の画家の人生とその交わりを知り、そして二人の作品を同時に見ることによって、より理解が深まった気がします。
二人のこれだけの量の作品を同時に見るという、貴重な機会を与えてくれた展覧会だと思います。
いつもコメントありがとうございます。
2016年10月26日 11:43
二人の人生の交わりと分岐はドキュメントなどでは知っているんですが、作品は別々に1.2点くらいしか観たことがないんです。こういう特別展が身近で行われると嬉しいんですが。。なかなか。。あったとしても人混みにしり込みしちゃいます。
とはいえ、しばらく美術館に行っていないのは確かで、またどこかの美術館に行って観たいと思います。
家ニスタ
2016年10月26日 22:13
つとつとさん、こんばんは。
ゴッホとゴーギャンのエピソード、あまりに有名で、知っている人も多いと思いますが、いっぽうで2人の作品をじっくり見たことのある人って、そう多くないかもしれません。
その点で今回の展覧会はよかったと思います。
たしかに美術展でたくさんの人がならんでたりすると、いやですよねえ。
最近金曜は夜遅く(8時ごろまで)やっている美術館が多いので、僕はその時間帯をねらうようにしています。
比較的すいていますよ。
いつもコメントありがとうございます。
2016年10月27日 22:49
ゴッホとゴーギャン展。
二人の作品を見比べる事で、
画風の違いや、対照的な人間性が
浮び上って来そうですね。
で、どちらに共感を抱くかと言われれば、
私は断然ゴッホ派です。高校生の時、
ふと図書館の画集を手に取り、
たまたま目に入った、死の直前に
描かれた麦畑の絵を見てから、すっかり
ファンになりました。仰るように、
半分あちらの世界に行ってしまって、
そこからこの世を見ているような凄みに、
ゾクッとするものを感じたからです。
展覧会面白そうですね。
家ニスタ
2016年10月27日 23:15
yasuhikoさん、こんばんは。
僕自身、半分あっちの世界に足を踏み入れてしまっているので、もちろん共感するのはゴッホのほうです。
彼の描いているのは、比較的ありふれた日常なんですけれど、そのなかに狂気の表現があったりして、ざわざわとさせられます。
最近はゴーギャンの良さもだんだんわかってきました。
もっと2人の作品を見ていきたいです。
いつもコメントありがとうございます。
2016年10月29日 23:16
ゴッホ良いですよね。
私はゴッホの縁の地へ行ってきました。ゴッホの故郷オランダや二人の生活の地アルルへ。オランダではゴッホについての本を13冊ほど買ってきました。買ってきたもののお宝となり、読んではいないという滑稽さ。いつか読むでしょう。
ゴッホと弟テオの仲も心動かされますよね。

私はゴッホも好きですが、シャガールも好きです。シャガールのステンドグラスは素晴らしいですよ。
家ニスタ
2016年10月30日 23:02
現実逃避な旅人さん、こんばんは。
現実逃避な旅人さんは、ゴッホお好きなのですね。
僕もアルルは一度行ってみたいと思っています。
僕も中南米などへ行ったとき、スペイン語で書かれた本をごそっと買いこむのですが、ほとんど読めていません。
そのうち、そのうちと思っているのですが、このままお蔵入りかもしれません。
コメントありがとうございます。

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