映画『関ヶ原』を見てきました

上映中の映画、『関ヶ原』を見るため、地元ちかくの映画館、イオンシネマ守谷へ行ってまいりました。

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両軍あわせて20万ちかい軍勢が激突した、日本史上最大の合戦に焦点をあてたこの映画。
その予算、スケール、キャストの豪華さ、どれをとっても大がかりな作品で、期待をして観にいきました。

おりしも、僕は『刀剣と歴史』で石田三成を主人公にした小説を連載しようとしていたところ。
「参考になれば」という気持ちと、僕が書こうとしていたことが、
「先を越されていたらやだなあ」という気持ちが半々でした。

原作が司馬遼太郎さんの超有名作で、話の内容もよく知られているこの映画、あらためてここでストーリーを書くことはしません。
が、三成に好意的な視点はこれから僕が書こうとしていたことをダブっており、ちょっと焦りました。
もっとも、僕の小説は三成の全生涯に焦点を当てたもの、こちらの映画は関ヶ原というひとつの合戦に焦点を当てたもの、と趣旨がちがっているので、まあ大丈夫でしょう。


関ヶ原合戦については、近年さまざまな新説が提出されており、その像はゆらいでいるといえます。
そのひとつが、
「関ヶ原は一瞬で決着がついた」というもの。
この説では、開戦と同時に小早川秀秋が裏切り、西軍は瞬時で崩壊したことになっています。

従来、小早川の寝返りのきっかけは、しびれを切らした家康が松尾山に鉄砲を撃ちかけたため、ということがいわれていました。
しかし実際には松尾山はけっこう高い山であり、山頂の秀秋の陣まで鉄砲の玉が届いたのか、という疑問があります。
新説によれば、もともと東軍への馳走を決意していた秀秋が開戦と同時に裏切ることとなり、素直に考えればこちらのほうがありそうに思えます。

また、有名な「島津の退き口」も、従来の説には疑問がありました。
三成の真横に陣どっていながら、開戦から半日のあいだまったく動かず、西軍の敗色が濃厚となってから、家康の本陣に向かって突進していく、というのはまったく不自然です。
この点、新説のように開戦と同時に西軍が崩壊したのなら、死地に活を得るために敵のどまんなかに突進したというのも、納得がいきます。

もっとも、新説のように西軍があっさりと負けてしまっては、ドラマとして面白くないので、このような映画では描きづらいというのも事実です。
僕も自分の小説の中においては、従来説にしたがって書いていくつもりです。

また、「三献の茶」のように、現在ではほとんど虚構とされているエピソードも、そのまま出てきます。
これも、物語としてはそのほうが面白いので、なかなか外しづらいところです。
僕も小説で「三献の茶」の茶に触れないわけにはいかないかな、と考えています。

島左近が三成に仕えたのが、映画では秀次自刃の直後になっていますが、これは司馬さんの原作にもないオリジナルですね。
個人的には、三成と左近の信頼関係を考えると、仕えたのがこんなに後では、ちょっと遅すぎるような気がします。

司馬さんの原作は、今の学説では否定されている部分もあり、やや古くさい気もしますが、やはりよく出来た小説であり、何より面白いので、今回の映画がほぼ司馬作品にのっとってやっているのも納得できます。

それにしても、平岳大の左近のカッコよさ!
『葵・徳川三代』での夏八木勲さんもよかったのですが、それに負けるとも劣らない島左近っぷりでした。
僕は基本的に、こうした欠陥のある主君を支える家老、といった役どころに弱い部分があります。

それと有村架純のけなげな忍び役もよかったです。
しかし三成の唐突な愛の告白は少々不自然でしたし、三成らしくもありませんでしたが、映画ともなるとこうした恋愛要素ははずせないのでしょうね。
あと、滝藤賢一の秀吉もハマっていましたね。


いろいと書きましたが、全体としてはこの合戦のスケールの大きさがよく表現されていましたし、重厚なドラマに仕上がっていると思います。
とくに、登場人物たちが運命に翻弄され、歴史の大きな波にのみこまれるような感じがよく出ていました。
三成ファンもそうでない方も、歴史好きなら見ておくべき映画といえると思います。

★★★★☆
ホシ4つです。




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この記事へのコメント

メミコ
2017年09月15日 09:24
平さんは 時代劇にピッタリですね

最初に 平さんを知ったのは スペイン語講座かなにかで それから 時代劇や路線バスの旅なんかでも拝見しました

あの島左近を演じるのは 演技プラス人的魅力も必要ですね

内容も演者も魅力的な映画ですね

お父様の 平幹二郎さんを 初めてドラマで観たのは 大河ドラマ国盗り物語でした

わたしは時代劇が 歴史上の人物を 蘇らせてくれるところが 好きです


家ニスタ
2017年09月15日 22:52
メミコさん、こんばんは。
平岳大さんの島左近、本当にカッコよかったです。
平さんの出られているスペイン語講座、今もNHKでやっているので、いつも見ています。
平幹二郎さんは、僕は大河『武田信玄』での信虎が印象にのこっています。
親子でいい役者さんですね。
いつもコメントありがとうございます。
2017年09月15日 23:37
キャストが豪華ですね。
平岳大さん、NHK大河『真田丸』の
武田勝頼役もとても印象的でした。
滑舌爽やか、クールでニヒルな雰囲気を
漂わせるところなど、父君を
思わせるスケール感があります。
家ニスタ
2017年09月16日 23:01
yasuhikoさん、こんばんは。
僕も平岳大さんの勝頼、よく覚えています。
お父さんはヒールを含めた幅の広い役柄を演じておられましたが、岳大さんはこれまでのところ善玉に偏っている印象。
清廉で正義感の強い感じがするので、今回の島左近の役はぴったりだと思います。
これから悪役を含め、演技の幅を広げていかれるのかもしれません。
いつもコメントありがとうございます。

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