ノット&東響の『ブルックナー9番』を聴いてきました

ジョナサン・ノット指揮東京交響楽団による、『ブルックナー交響曲第9番』を聴くため、川崎のミューザ川崎に行ってまいりました。


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このブログでも何度かご紹介していますが、東京交響楽団と東京都交響楽団はまったく別の組織です。
愛称は東京交響楽団が東響、東京都交響楽団が都響になります。
げんざい、N響をのぞくとこの2つが僕の聴きにいく頻度の高いオケになりますので、ややこしいですね。

僕はブルックナー9番のCDを2枚持っています。
ギュンター・ヴァント&ケルン放送響による1978年の演奏、
朝比奈隆&大フィルによる2001年の演奏、
の2枚です。

例によって予習として、この2枚を聴いてまいりました。


また、今日は前座(といってしまっていいのか・・・)として、
マーラー10番の1楽章アダージョが演奏されます。

10番のCDは、5楽章復元版としては、
インバル&フランクフルト放送響の1992年の演奏(クック版)、
ジンマン&チューリヒ・トーンハレの2010年の演奏(カーペンター版!)
の2枚があります。
1楽章アダージョだけの録音としては、
バーンスタイン&ウィーン・フィルの1974年のものを持っています。

今回は1楽章だけの演奏ということで、バーンスタインのCDを聴いてきました。


ミューザ川崎には何度か来たことがありますが、僕の地元からだと北関東から南関東に移動することになるわりには、それほど時間もかからずに着くことができます。
きれいだし、音響もいい(ような気がする)ので、すきなホールです。
僕は演奏開始の30分前にホールに着きました。

インバル先生がなかば引退されている現在、日本によく来る指揮者でマーラーやブルックナーを得意としている人といえば、まずこのノットの名があがるようです。
(ほかにパーヴォ・ヤルヴィもいますが)
今日の演目は2つとも僕のすきな曲ですので、たのしみにして来ました。


開演時間になり、オケにつづいて指揮者が入場してきます。
現在クラシック界でいちばんのナルシスト、ジョナサン・ノット。
キメ顔をつくって(想像)から、タクトを振りはじめます。
さいしょはマーラー10番
ミステリアスで内省的な旋律が、おごそかに曲のはじまりを告げます。

マーラーにおける“未完成”であるこの10番。
現在この曲を演奏する方法としては、クックやカーペンターによる全曲復元版を使うか、1楽章のアダージョをだけを演奏するというものがあります。
バーンスタインのように復元版での演奏をきらい、1楽章しか演奏しなかった、という指揮者も多いようですが、この1楽章の完成度の非常な高さを見ると、それはそれでありか、とも思えます。

曲の中盤に、いっせいに不協和音がかき鳴らされる部分があります。
この曲が不協和音を多用していることから、僕はこれが現代音楽のはじまりではないかと見ています。
さいごはおだやかな曲調になり、消え入るように曲は終わっていきます。

僕は2014年7月にインバル&都響の、この曲のクック復元版による演奏を聴いていますが、こうして1楽章だけをとりだしてみても、観客に深い感銘をのこす演奏をすることは可能なのだなあ、と感心しました。


20分の休憩をはさみ、いよいよブルックナー9番の演奏がはじまります。
第1楽章は振幅のおおきい、きわめて複雑な楽章。
ブルックナーもこれが集大成とばかり、自分のそれまでの交響曲で使った要素を、惜しみなくつぎこんでいるようです。

2楽章はいかにもブルックナーらしい、怪物的なスケルツォ。
原始的なリズムの連打が何度もあらわれるのが印象的です。
このモチーフは2番などでも使われていましたが、より力強さを増しています。

3楽章は「ブルックナー史上もっとも美しい」とも称される緩徐楽章。
たんに美しさだけをいうなら、7番のアダージョなどのほうが上かもしれませんが、ここではさらに複雑さを増し、きわめてダイナミックレンジの広い音楽になっています。
そして音楽は消え入るようにラストを迎えます。

この曲は3楽章までしかないとはいえ、終わってみると演奏開始から、60分が経過していました。
ブルックナーによる大作のひとつであるといえます。

やはりブルックナーにおける“未完成”であるこの曲。
たしかに一部でそう評されているように、この曲は未完成のままでよかったのかもしれません。
消え入るように終わるラストが、ブルックナーのこの世にたいする「別れのメッセージ」のように聴こえました。
じつに感動的な演奏でした。

今日はマーラーとブルックナー、タイプのちがう2つの“未完成”を聴きくらべることができ、よかったです。


これで僕のマイ・ブルックナー・チクルスも、のこすところ1番をのこすのみとなりました。
5月にP・ヤルヴィ&N響のコンビによる、1番を聴きにいけば、チクルスも完成です。
マーラー、ブラームスに続くマイ・チクルス達成は、ブルックナーになります。

マーラー10番も、1楽章だけとはいえ聴いたので、これでマーラー・チクルス2周目の3曲目ということにしましょうかね(笑)。
怒とうのコンサート月間はまだ続き、20日にはプロムシュテット&N響による『ベートーベン4番』を聴きにいく予定です。
それでは、またコンサートホールでお会いしましょう!




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この記事へのコメント

メミコ
2018年04月17日 09:55
いいですね~ 熱く語られてるすてきなコンサート
東響 と 都響の違いを初めて知りました  そうなんですね
春のクラッシック鑑賞もいいですね
わたしは 今度の日曜に地元の市民楽団のコンサートを聴きに行く予定です
クラッシックブログは いつも とても参考になります
家ニスタ
2018年04月17日 18:22
メミコさん、こんばんは。
もともと都響のファンで、よく聴きに行っていたんですけれど、さいきん東響にも行くようになったので、ややこしくなってしまいました。
(^^;)
地元の市民楽団のコンサート、いいですね。
こんな記事でも、ご参考になれば幸いです。
いつもコメントありがとうございます。

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