P・ヤルヴィ&N響の『マーラー4番』を聴いてきました

パーヴォ・ヤルヴィ指揮NHK交響楽団によるマーラー交響曲第4番を聴くため、代々木のNHKホールへ行ってまいりました。

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僕のマイ・マーラー・チクルスも2周めに入り、すでに2、3、7番と10番のアダージョを聴いていますので、これで5曲めになります。
このぶんだと、2周めもあんがいあっさりと達成できるかもw。

前回、2016年に大野/都響でおなじ曲を聴いたときに書いたように、僕はこの曲のCDを5枚持っていますが、今回はライブで聴くのが2回めということもあり、あまり聴きこんではきませんでした。

前回の記事では、マーラーの交響曲の中ではこの曲が、ただ明るく爽やかなだけのように聴こえ、あまり好きではなかったと書きました。
それが、ライブで3楽章のアダージョを中心に聴いてみたところ、この曲がマーラーの初期と中期、後期を結ぶ、重要作であることが、あらためてわかりました。
さて、今日のパーヴォとN響の演奏は、どんな印象をのこしてくれるでしょうか。


いつものように僕の席は1500円の自由席ですので、開演1時間前に行っていい席を確保します。
開演が近づくにつれて、客席は埋まってきて、いつもは自由席の後ろのほうは空いているのに、今日はほとんど満席でした。
ちょっとびっくり。
これはマーラー人気でしょうか、パーヴォ・ヤルヴィ人気でしょうか?

開演時間になり、オケと指揮者が入ってきて、コンサートの前半部分、ウインナ・ワルツ/ポルカ特集がはじまります。
まずはヨハン・シュトラウスⅡ世の喜歌劇『こうもり』序曲からスタート。
そこからワルツやポルカが5曲たて続けに演奏されます。

正直にいいますと、僕はワルツやポルカがあまり好きではなくて、こんなことを言うと怒られそうですが、“明るく楽しい”だけで聴いたあとに何ものこらない、内容のない音楽だと思っています。
今日あらためてライブで5曲聴いてみても、その印象は変わりませんでした(笑)。
これ以上書くとワルツ好きに袋だたきにあいそうなので、やめておきますが。


じゃあお前の信奉するマーラーはどうなんだい、と言われそうですが、たしかにこの4番に関しては、僕はマーラーの曲の中では深みのない、表面的な音楽だと思っていました。
その印象は、前回の大野/都響の演奏でがらっと変わったわけですが。
というわけで今日のパーヴォとN響に関しても、どんな演奏をしてくれるのかと楽しみでした。

休憩をはさんでオケとパーヴォが再度登場。
特徴的な鈴の音とともに、いよいよ今日のメイン、マーラー4番がはじまります。
パーヴォは比較的ゆったりとしたテンポ設定。

前回の記事では、3楽章のアダージョをメインとして考えると、この曲から見える景色は変わってくる、と書きましたが、今回あらためて聴いてみると、明るく爽やかなだけと思っていた第1楽章にも、不安さをかきたてる旋律や内省的な部分が見えかくれしており、やはりただの交響曲ではないなと思いました。

それが顕著にあらわれるのが第2楽章のスケルツォです。
この楽章の出だしで、不安感をあおるような、不安定な音色のバイオリンが独奏で鳴らされますが、わざとチューニングをずらしてあるそうです。
そうした効果もあって、よく聴くと不気味さをただよわせた楽章になっています。

スケルツォといえば、もとをたどればワルツと起源はおなじと思いますが、ここではその面影はなくなっています。
ブルックナーの、肥大化し怪物化したスケルツォとはまたちがい、ひと言でいうと“気持ち悪い”スケルツォになっています。

そして問題の第3楽章です。
緩徐楽章といえば、一般には静かで骨休め的な楽章を想像すると思いますが、ここでは始まりこそ静かなものの、この楽章だけで独立した曲になってもいいくらいの、劇的で物語性のある音楽になっています。
前回のライブで、僕が緩徐楽章こそこの曲のメイン、と指摘したのは、決してまちがいではなかった、とあらためて思いました。

もうすぐ3楽章が終わろうか、というときになって、ソプラノのアンナ・ルチア・リヒターさんが入場してきて、曲は切れめなく最終の4楽章に突入します。

僕がどうしてもこの曲に不満をもってしまうのは、とくにこの第4楽章の部分です。
長大でドラマチックだった第3楽章にくらべると、この楽章はいかにも短すぎますし、尻切れトンボ感がいなめません。

「消え入るようなラスト」というのは、有名なチャイコフスキーの悲愴や、おなじマーラーの9番などにもありますし、僕も本来こうした終わり方は好きなのですが、この曲に関しては「いつ終わったの?」という感じがどうしてもしてしまいます。

まあ、僕がこうした不満をもってしまうのは、曲の構造のせいで、パーヴォとN響の演奏に関しては、今日もすばらしかったです。
この曲がマーラーの交響曲史上における重要な位置を占めているというのも、あらためてわかりました。
この曲の肥大化したアダージョが、最初と最後が緩徐楽章、という型やぶりな交響曲第9番につながっていくわけです。


さて、2周目のマイ・マーラー・チクルスも、これで5曲を聴いたことになり、いよいよ佳境にはいってきました。
ほかにもベートーベンやショスタコーヴィチなど、チクルスを達成できそうで達成できないものもいくつかあるので、これらの早期達成に向けてがんばっていきたいと思います。



またどこかのコンサート・ホールでお会いしましょう。
それでは!




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この記事へのコメント

2018年09月17日 00:07
こんばんは。

マーラー交響曲第4番ですか。
私はクラシックは全然詳しくないのでどんな曲がわかりませんが。。。
でも、映画音楽が好きで、オーケストラの音楽が特に好きです。
家ニスタ
2018年09月17日 11:35
トトパパさん、こんにちは。
僕もジュゼッペ・トルナトーレ監督の作品に出てくるような、オーケストラによる映画音楽は大好きです。
あと『スター・ウォーズ』とか。
2001年宇宙の旅で使われた『ツァラトゥストラかく語り気』なんかも良かったですね。
いつもコメントありがとうございます。
2018年09月18日 08:24
おはようございます♪
N響の自由席は1500円なんですか!
リーズナブルなお値段で素晴らしい
音楽に触れることができるんですね
家ニスタ
2018年09月18日 22:55
おとめさん、こんばんは。
そうなんです、NHKホールでやるN響の定期は、自由席1500円なんんです!
席はいちばん後ろのほうなんですが、逆にオーケストラ全体が俯瞰できて、僕はお気に入りです。
他のオケも聴くんですが、やはり安さの魅力で、さいきんはN響を聴きに行くことがいちばん多くなってます。
いつもコメントありがとうございます。

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