インバル&都響の『チャイコ5番』を聴いてきました

エリアフ・インバル指揮東京都交響楽団(都響)による『チャイコフスキー交響曲第5番』を聴くため、池袋の東京芸術劇場へ行ってまいりました。


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怒とうのクラシック月間、第4弾はチャイコフスキー!

チャイコフスキーの交響曲後期3作のうち、僕は4番をウルバンスキ/東響で、6番をゲルギエフ/ミュンヘン・フィルインバル/都響聴いたことがあったんですが、5番はまだでした。

今日で後期3部作はコンプリートすることになりますが、1~3番や『マンフレッド』までをふくめて、今後チクルス化をはかるかは、ちょっとまだわかりません。
チャイコフスキーの1~3番と、4~6番のあいだで、とくに精神的な深みにおいて差があることは事実ですしね・・・。

さて僕は、チャイコフスキー5番のCDを2枚もっています。
テミルカーノフ指揮サンクトペテルブルク・フィルによる1992年の録音、
ゲルギエフ指揮ウィーン・フィルによる1998年の録音、
の2枚です。

このうちゲルギエフ盤は今回のコンサートへ行くことが決まってから、けっこう最近に買ったのですが、やはり名盤ですね。


この日もいつものように開演30分ほど前に会場に到着。
客席はほぼ満席、いつもながら安定したインバル人気です。

やがて時間になり、オケに続いて、インバル先生と本日のソリスト、ピアニストのサリーム・アシュカールが入場してきます。
まずは1曲めのベートーベン『ピアノ協奏曲第1番』が演奏されます。

サリームはイスラエル出身のピアニストとのことですが、名前から察するにパレスチナ系でしょうか。
ユダヤ系のインバル先生との共演は興味深いですが、やはりイスラエル出身のバレンボイムといい、音楽家には人種間の融和に積極的な人が多いようです。
人種間の分断を図るのはいつも政治家です。

僕はベートーベンのピアノ協奏曲5番『皇帝』は2回ほど聴いたことがありますが、1番をライブで聴くのははじめてです。
ベートーベンらしい親しみやすいメロディとはなやかさのある曲で、1番のころから5番の原型はできていると思いました。

僕は3階のいちばん後ろの席だったのですが、オーケストラの編成がよく見えて、この協奏曲がいがいと大きな編成で演奏されることに気づきました。
そのあたり、先日聴いたモーツァルトのバイオリン協奏曲などとくらべると、やはり時代のちがいを感じますね。


20分間の休憩のあと、ふたたび登場したインバル先生。
ほとんど間をおかず、あっさりとチャイコフスキー5番のタクトを振りはじめます。
さいしょに木管がおもおもしい旋律をかなで、曲は陰と陽のあいだを行き来する、マーラー的な感情の起伏のはげしさのなか、進んでいきます。

先ほどチャイコフスキーの1~3番と4~6番のあいだに差がある、と書きましたが、僕はこれまで5番と6番『悲愴』のあいだにも差があると思っていました。
ペシミスティックで厭世的な6番にくらべると、5番が(表面的には)勇壮で、人生の楽しみをおう歌しているように聴こえたからです。

しかしこうしてライブで聴いてみると、5番の時点で6番に通じる厭世観が、すでに強く出ていると感じました。
そのことは続く第2楽章で顕著にあらわれます。
複雑な構成をもつこの緩徐楽章は、悲嘆から歓喜へところころと感情がかわり、マーラーほどとまではいいませんが、支離滅裂さを見せています。

マーラーが『悲愴』に影響を受けているのは前から思っていたんですが、こうして見ると、チャイコフスキーの一連の交響曲全体が影響をあたえているといえそうです。

3楽章の比較的オーソドックスなワルツをはさんで、いよいよ終楽章へ。
ここでの躍動するような疾走感は、チャイコフスキーならでは、インバル先生ならではといえるもの。
ぐいぐいと突きあげるように盛りあがり、ステージと客席が一体となります。

高校生のときにインバル/フランクフルト放送響の『マーラー5番』をFMで聴き、体がふるえるほどの感動をおぼえて以来、クラシック・ファンとなった僕。
そのインバル先生が日本のオケでプリンシパル・コンダクターとなられていることを知り、生まれてはじめてコンサートホールに足をはこんだのが、かれこれ10年前のことです。

それ以来、ゲルギエフ、ドゥダメル、パーヴォ・ヤルヴィ、ジョナサン・ノット、大野和士、といった名だたる指揮者の演奏を聴いてきました。
でも僕をいちばん感動させ、胸をアツくさせるのは、いつだってインバル先生の演奏でした。
インバル先生こそは世界一の指揮者、唯一無二の芸術家です!!!

これからも、インバル先生が来日されるかぎり、聴き続けるつもりです。



しばらくは、クラシックのコンサートに行く予定はありません。
(7月にはインバル/ベルリン・コンツェルトハウスの『マーラー5番』に行く予定ですが)
またお会いしましょう。
それでは!





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