私見・世界の遺跡30選(2)-25位~21位

緊急事態宣言が11都府県にまで拡大されました。
こんなたいへんな時期にのん気な企画を・・・、
とのおしかりも受けそうですか、すこしでも旅行気分を味わい、外出自粛のおなぐさみになれば、と思います。
それでは、まいりましょう。


第25位

ワカ・デル・ソル、ワカ・デラ・ルナ

ペルー モチェ文化

0480ワカ・デル・ソル.jpg
ペルー北海岸に多く分布するピラミッド状建築は、エジプトのような石製ではなく日干しレンガ(アドベ)製であるために、エル・ニーニョなどによる豪雨のために形のくずれてしまっているものが多いです。
写真のワカ・デル・ソル(太陽の神殿)は南米大陸最大ともいわれるピラミッドですが、みごとに雨による浸食のあとがのこっちゃってますね。

見ためは地味ですが、紀元1世紀~8世紀ごろにさかえたこのモチェ文化は、アンデス文明ではじめての‟国家”がうまれたところとされ、歴史的な価値のあるものです。
さいきんでは南北に分かれていたといわれることの多いモチェ国家のうち、この太陽の神殿、月の神殿を中心とするモチェ遺跡は、南の政体の首都と目されています。


0452ワカ・デ・ラ・ルナ.jpg
先ほどのワカ・デル・ソルとくらべ、こちらのワカ・デラ・ルナ(月の神殿)は、ピラミッド自体は小さいですが、発掘により出てきた古いピラミッドの壁画(レリーフ)を見ることができます。

これは、玉ねぎのように古い神殿の上にかぶせてあたらしい神殿をきずくという、中南米のピラミッドの特徴のためです。
(いわゆる‶神殿更新”ですね)


0464ワカ・デ・ラ・ルナ.jpg
首を縄でつながれた、捕虜のレリーフもあります。
このあと、‟いけにえ”にされるのでしょうねえ。
おー、コワ!





第24位

ギザの大ピラミッド

エジプト エジプト文明

030ギザ.jpg
さいしょにランキングを組んだときに、この超有名遺跡がベスト30から漏れちゃってたんですが、さすがにまずいと思い、入れることにしました。
(それでもこの順位)
行ったのがあまりに前のことで、写真が色あせてしまってますし、エジプトの砂嵐のせいなのかレンズにゴミがつきまくりですが、ご容赦ください。


029クフ王のピラミッド.jpg
なんでこの順位なのかというと、それは完全に僕の趣味の問題なんですが、‟大味すぎる”(笑)から。
とにかくとてつもなくデカくて、これが人類のつくったものとは信じられないくらいですが、あまりにデカすぎてぴんとこない(笑)。

形も完全な四角錘で、うつくしいのですが変化にとぼしく単純です。
まあ、いわゆる階段ピラミッドよりも、正四角錘のほうが技術的にたいへんなはずなので、これは完全にいいがかりですね。
中南米のほうが専門の僕にとっては、階段ピラミッドのほうがなじみがある、というのもあります。

あ、このときは写真に日付入れてましたね。
そう、1996年のことでした。






第23位

ベン・メリア

カンボジア クメール朝


0257ベン・メリア.jpg
カンボジアには、アンコール・ワットのようにきれいに修復され、多くの観光客をあつめている遺跡のほか、このベン・メリアのようにあえて修復せず、崩壊するにまかせている遺跡もあります。
ジャングルの中ですので、ほうっておくと木々が無限に生え、遺跡を破壊してしまいます。
アンコール・ワットもほうっておけばこうなるんだ、という自然の猛威を感じることができます。


0244ベン・メリア.jpg
‟廃墟感”をたのしむのが、こうした遺跡を見学するときの作法。
とはいえこれ以上ほうっておくと、遺跡が消滅してしまいそうですが・・・。


0227ベン・メリア.jpg
うつくしいデバター(女神)像もこのとおり。

クメール遺跡の集中するアンコール地域からちょっと離れていて、行くのがたいへんなのですが、シェムリアップのホテルではどこもタクシーをつかった一日ツアーをやっていると思うので、聞いてみてください。





第22位

吉野ヶ里

日本(佐賀県) 弥生時代


0163吉野ヶ里.jpg
発見当時は‟邪馬台国論争”の焦点となったこの遺跡。
まあこの遺跡が卑弥呼の王都ということはないと思いますが、『魏志倭人伝』にえがかれたようなクニの存在があきらかになったことは、考古学上のおおきな発見でした。

この遺跡の真の‟偉業”は、予定された工業団地の建設をストップさせ、遺跡の保存をみとめさせたことでしょう。
それ以前の日本で、いくら重要な遺跡とはいえ、予定されていた工事をストップしてまで保存されるということは、ほとんど例がなかったと思います。


0182吉野ヶ里.jpg
ただ、ここでもやはり三内丸山と同様の「復元しすぎ問題」がありますね。
本当にこんなにデカい建物がたっていたかどうかは、まさに「神のみぞ知る」。


0174吉野ヶ里.jpg
100名城のひとつに数えられているのですが、たしかに環濠集落で防御的性質はもっていますが、ここを「城」と呼ぶのにはやはり抵抗があります。






第21位

オリンピア

ギリシャ ギリシャ文明


0453オリンピア遺跡.jpg
これも、スリランカのすこし前、2019年のギリシャ旅行のときで、僕としては最近おとずれたほうの遺跡です。
ペロポネソス半島にはほかにもコリントスやスパルタ、スパルタちかくのビザンチン時代の遺跡ミストラなどがあり、どれも印象ぶかかったのですが、やはりオリンピック発祥の地としての知名度から、この遺跡をえらびました。


0489オリンピア遺跡.jpg
基本的に建物はのこっておらず、廃墟なのですが、周囲の環境がよく古代のロマンにひたれますね。


0449オリンピア遺跡.jpg
今年も東京オリンピックをひらくのは、無理そうな状況になってきましたが、この機会にオリンピア遺跡のことを調べてオリンピックの歴史を知るのもいいかもしれません。






次回は20位~16位をご紹介したいと思います。
スペインやタイ、ミャンマーの遺跡など、登場するようですよ。


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この記事へのコメント

2021年01月16日 22:45
こんばんは~
早く旅ができる日が戻ってくると
良いですよねぇ
一人旅なら 問題ない気がしますけど
飛行機で長時間は やっぱり無理ですよねぇ…

↑浪漫をかき立てる様なところが満載ですね!
2021年01月16日 23:07
ようやく訪問できました。
今、仕事は大変な時期ですね。もう感染は非常に身近になりました。

緊急事態宣言下の過去の思い出の記事、これだけ遺跡について書ける人は少ないと思いますよ。フィルム写真までデジタル化して、大変な作業だったと思います。それも、実は面白いのですよね。

古代の人間の営み、必死に生きて戦って権力を振るった人達がいたことを感じます。それを、将来に残して維持してくことが、世界平和につながると思うのですよね。

これから、どんな遺跡が出てくるか楽しみです。メキシコが色々と出てきそうですね。
家ニスタ
2021年01月17日 11:56
おとめさん、こんにちは。
海外どころか、国内旅行さえ行くのがむずかしい状況になってきましたね。
海外へ行ける日なんて、いつのことになることやら・・・。
飛行機自体は換気がしっかりされているので大丈夫みたいですが、それ以外のときのことも考えると、やはり無理でしょう。
今回はちょっと地味な遺跡が多かったような気もしますが、それでも浪漫がかきたてられますね。
いつもコメントありがとうございます。
家ニスタ
2021年01月17日 12:04
ミクミティさん、こんにちは。
地元のイバラキも感染者がふえてきて、県独自の緊急事態宣言が出されました。
本当に、感染が身近なものになってしまいましたね。
フィルム写真のデジタル化は数年前に終わっていて、たいへんではなかったのですが、何かソフトを使って画質を改善する方法を考えなきゃいけませんね。
古代ギリシャでも、オリンピック期間中は休戦されていたそうですから、古代から続くそうした試みを知ることは、まさに世界平和につながるかもしれませんね。
やはりメキシコとペルーが主力にはなりますが、極力それ以外の遺跡もご紹介していきたいと思っています。
いつもコメントありがとうございます。
2021年01月22日 22:06
素敵な企画ですよ。というか、
TVの旅番組も、昔の映像を使った
こうした企画ものが中心ですから、
時代のトレンドと言ってもいいんじゃ
無いでしょうか。今回、私が気になったのは、
ペルーのピラミッド建築です。日干し煉瓦で
これを造りましたか。それじゃ、長持ち
しそうもありませんね。でも、その結果の
廃墟感が素晴らしい。遺跡というのは、
こうでなくちゃという気もします。
家ニスタ
2021年01月22日 22:54
yasuhikoさん、こんばんは。
ありがとうございます。
たしかにTVの紀行番組などでも、振り返りやまとめ特集のものが多いですね。
モチェのピラミッドは、石材の入手しにくい海岸地帯のために、日干しレンガ製になってます。
日干しレンガでも百年はもちますので、当時の感覚では「永遠」に近かったと思います。
エジプトのように何千年ものこるものを作ろう、というのは、ちょっと異常です。
廃墟感をたのしむのが僕らマニアの作法ですが、なかなか一般には理解されません・・・。
いつもコメントありがとうございます。
2021年02月13日 14:57
今回は地域が分散して特徴がはっきり分かれていますねえ@@
気候風土の違いもありますが、岩石・レンガ・木材、特徴が全く違いますねえ。。木材文化の日本はどうしても構築物が想像の産物になりがちなハンデがありますねえ^^;
年代もありますがデザインなどもそれぞれに違って非常に興味深いです。
その中でも、思わず見入ってしまうのが、カンボジアのベン・メリア@@まさに廃墟という印象を受けてしまいますが、密林の繁殖力は馬鹿にできませんねえエ
遺跡の風化は逃れられないものですが、自然の強さには驚きを禁じられません
家ニスタ
2021年02月13日 23:28
つとつとさん、こんばんは。
建物の建材はやはり、その地域地域での入手のしやすさに左右されてしまいますね。
石材の入手しやすい国は石製の、木材の入手しやすい国は木製の・・・。
ペルーは国の中でもちがっており、石材の多い山間部(クスコなど)では石製、入手しにくい海岸部では日干しレンガや土製、とくっきり分かれています。
カンボジアの熱帯雨林では、ガジュマルなどの木々がほうっておくとどんどん伸びてしまい、遺跡を破壊します。
つねに手入れをしていないと、どこもベン・メリアのようになる可能性があるということです。
自然の猛威の前では、人間のつくったものは無力ですね。
いつもコメントありがとうございます。