私見・世界の遺跡30選(3)-20位~16位
コロナ感染はさらに拡大し、わがイバラキでも県独自の緊急事態宣言が出されました。
法的根拠はまったくなく、どこまで効果があるのかわかりませんが、‟やらないよりはまし”ということでしょう。
全国11都府県に出された緊急事態宣言のほうも、効果が出るまでにはまだ時間が必要なようです。
なんとか、もうちょっとで収まってくれればいいのですけれど・・・。
そうした状況ではありますが、こちらのブログでは外出自粛特別企画を、あいかわらずのんきに進めていきたいと思います。
第20位
メリダ
スペイン ローマ文明

イベリア半島にはほかにも、タラゴナやイタリカ、ポルトガルのコニンブリガなどのローマ遺跡があり、どれをえらぶか迷ったのですが、このメリダにしました。
理由は、劇場、闘技場、水道橋、といったローマ都市を構成する要素が、ひと通りそろっているから。
イタリア本土のポンペイなどの大遺跡をのぞけば、これだけそろっているのはめずらしいんじゃないでしょうか。
ローマ植民都市の実相について知ることができます。
写真はメリダのローマ劇場ですが、舞台背後の建物までのこっているのは、めずらしいと思います。

こちらは「円形劇場」という名称になっていますが、いわゆる闘技場です。
ローマは地方の植民都市でも、かならずといっていいほどこうした闘技場があり、娯楽にかけるこの民族の熱意がうかがえます。

メリダにある、‟国立ローマ博物館”は、スペインの地方博物館としてはかなり立派なもので、展示品も充実しています。
写真のようなタイルを使ったモザイク画が、たいていの上流階級の屋敷をかざっていました。

おなじくメリダにあるサン・ラサロ水道橋。

第19位
アユタヤ
タイ アユタヤ朝

バンコクからそれほど遠くないところにあるこのアユタヤ遺跡も、第1回でご紹介したスリランカのポロンナルワと同様、いくつもの寺院跡からなる複合遺跡です。
写真はワット・チャイワッタナーラームという長ったらしい名前の寺院です。
天をつく尖塔が目をひきますね。

こちらはワット・プラ・シー・サンペット。

ワット・マハータートは、木のなかに取りこまれてしまった仏頭で有名。

象に乗ってのんびりと遺跡見学。

第18位
アブ・シンベル大神殿、小神殿
エジプト エジプト文明

エジプト第19王朝の偉大なファラオにして、自己顕示欲のかたまり(笑)、ラムセス2世。
彼は数おおくの神像とならんで、巨大な自身の像をエジプト各地にたてさせたことで有名ですが、その最たるものが、このアブ・シンベル大神殿でしょう。
(またまた写真の画質がわるくすみません)
この神殿はアスワン・ハイダムの建設により、あやうくナイルの底に沈むところでしたが、これに危機感をもった世界各国の協力により、巨大な一枚岩をブロックに切り刻んで近くの高台に移すという、気の遠くなるようなプロジェクトによって救出されたのでした。
ユネスコがこうした遺産の救出プログラムをおこなったのはこれがはじめてであり、まさに世界遺産のはしりといえます。

いっぽうで「小神殿」のほうは正妃ネフェルタリにささげられたもの。
ラムセス2世の愛妻ぶりがうかがわれそうですが、じつは彼にはネフェルタリのほかにも数多くの側室がおり、
(自分の娘まで妃にしていた)、
のこした子の数は100人を超えていたといわれます。

大神殿には内部の部屋もあり、当時の壁画(レリーフ)がのこっています。
こちらはエジプト王の像としてはお約束の「敵を打ちすえるラムセス2世」。

とにかくその巨大さは、一見の価値ありです。

第17位
カックー
ミャンマー

僕が念願のミャンマーへ行ったのは、2015年3月のこと。
無数の仏頭が立ちならぶ、このカックー遺跡をおとずれたとき、ここが
「世界の遺跡ナンバーワン」でもいいんじゃないか、というぐらい感動しました。
今回この順位にとどめたのは、このあと登場するミャンマーの遺跡で、まだとんでもないところがのこっているのと、
この遺跡がさいしょにつくられたのは紀元前3世紀とふるいとはいえ、多くの仏塔がたてられたのは16~18世紀とあたらしいためです。
とはいえこの遺跡のすばらしさは、じっさいに行っていただければすぐにわかると思います。

なんと2500基ちかい仏塔がたてられており、しかもその多くは庶民からの喜捨によるものです。
この国の人びとの、仏教にかける思いがつたわってきます。
遺跡はパオ民族のすむ領域にあり、パオ人のガイドといっしょに行くきまりになっています。
インレー湖畔の町、ニャウンシエでタクシーをチャーターし、ガイドをやとって・・・、とそれなりに費用はかかりますが、来て後悔はしないはずです。

無数の仏塔が池にうつるさまは、なんとも幻想的。

第16位
カラル
ペルー 形成期

さいしょ、この順位にはペルー南高地のワリ遺跡を入れようと思っていたのですが、記事を書くために以前の写真を見直していたところ、あまりに地味すぎたので(笑)、こちらのカラル遺跡にしました。
とはいえこちらもそれなりに地味ですね・・・。
この遺跡が世界遺産になっているのは、なんといってもそのとんでもない古さ
(紀元前3000年~紀元前1800年ごろ)のため。
一般に、新大陸の文明は旧大陸のものよりあたらしいと考えられてきましたが、この時期にこれだけのピラミッド神殿群が存在していたとすると、ほとんど旧大陸の四大文明に匹敵する古さといえます。

こちらはカラル最大のピラミデ・マヨール(大神殿)。
高さ22メートルと、エジプトやメキシコのものより小さいんですが、時期をかんがえると、これだけのものをつくるのはたいへんだったと思います。

南米アンデス文明でのこのカラルの発見のほか、中米では日本人研究者らの研究により、マヤ文明の起源が従来かんがえられていたよりだいぶさかのぼることがわかってきました。
新大陸の文明の古さは、旧大陸にほとんどひけをとらないことが明らかになりつつあります。
いい加減、「四大文明」のような陳腐なかんがえ方は、捨てるべきではないでしょうか。

日時計もあります。

次回は15~11位。
ベトナムや、ふたたびスリランカ、メキシコの遺跡など登場予定です。
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法的根拠はまったくなく、どこまで効果があるのかわかりませんが、‟やらないよりはまし”ということでしょう。
全国11都府県に出された緊急事態宣言のほうも、効果が出るまでにはまだ時間が必要なようです。
なんとか、もうちょっとで収まってくれればいいのですけれど・・・。
そうした状況ではありますが、こちらのブログでは外出自粛特別企画を、あいかわらずのんきに進めていきたいと思います。
第20位
メリダ
スペイン ローマ文明

イベリア半島にはほかにも、タラゴナやイタリカ、ポルトガルのコニンブリガなどのローマ遺跡があり、どれをえらぶか迷ったのですが、このメリダにしました。
理由は、劇場、闘技場、水道橋、といったローマ都市を構成する要素が、ひと通りそろっているから。
イタリア本土のポンペイなどの大遺跡をのぞけば、これだけそろっているのはめずらしいんじゃないでしょうか。
ローマ植民都市の実相について知ることができます。
写真はメリダのローマ劇場ですが、舞台背後の建物までのこっているのは、めずらしいと思います。

こちらは「円形劇場」という名称になっていますが、いわゆる闘技場です。
ローマは地方の植民都市でも、かならずといっていいほどこうした闘技場があり、娯楽にかけるこの民族の熱意がうかがえます。

メリダにある、‟国立ローマ博物館”は、スペインの地方博物館としてはかなり立派なもので、展示品も充実しています。
写真のようなタイルを使ったモザイク画が、たいていの上流階級の屋敷をかざっていました。

おなじくメリダにあるサン・ラサロ水道橋。
第19位
アユタヤ
タイ アユタヤ朝

バンコクからそれほど遠くないところにあるこのアユタヤ遺跡も、第1回でご紹介したスリランカのポロンナルワと同様、いくつもの寺院跡からなる複合遺跡です。
写真はワット・チャイワッタナーラームという長ったらしい名前の寺院です。
天をつく尖塔が目をひきますね。

こちらはワット・プラ・シー・サンペット。

ワット・マハータートは、木のなかに取りこまれてしまった仏頭で有名。

象に乗ってのんびりと遺跡見学。
第18位
アブ・シンベル大神殿、小神殿
エジプト エジプト文明

エジプト第19王朝の偉大なファラオにして、自己顕示欲のかたまり(笑)、ラムセス2世。
彼は数おおくの神像とならんで、巨大な自身の像をエジプト各地にたてさせたことで有名ですが、その最たるものが、このアブ・シンベル大神殿でしょう。
(またまた写真の画質がわるくすみません)
この神殿はアスワン・ハイダムの建設により、あやうくナイルの底に沈むところでしたが、これに危機感をもった世界各国の協力により、巨大な一枚岩をブロックに切り刻んで近くの高台に移すという、気の遠くなるようなプロジェクトによって救出されたのでした。
ユネスコがこうした遺産の救出プログラムをおこなったのはこれがはじめてであり、まさに世界遺産のはしりといえます。

いっぽうで「小神殿」のほうは正妃ネフェルタリにささげられたもの。
ラムセス2世の愛妻ぶりがうかがわれそうですが、じつは彼にはネフェルタリのほかにも数多くの側室がおり、
(自分の娘まで妃にしていた)、
のこした子の数は100人を超えていたといわれます。

大神殿には内部の部屋もあり、当時の壁画(レリーフ)がのこっています。
こちらはエジプト王の像としてはお約束の「敵を打ちすえるラムセス2世」。

とにかくその巨大さは、一見の価値ありです。
第17位
カックー
ミャンマー

僕が念願のミャンマーへ行ったのは、2015年3月のこと。
無数の仏頭が立ちならぶ、このカックー遺跡をおとずれたとき、ここが
「世界の遺跡ナンバーワン」でもいいんじゃないか、というぐらい感動しました。
今回この順位にとどめたのは、このあと登場するミャンマーの遺跡で、まだとんでもないところがのこっているのと、
この遺跡がさいしょにつくられたのは紀元前3世紀とふるいとはいえ、多くの仏塔がたてられたのは16~18世紀とあたらしいためです。
とはいえこの遺跡のすばらしさは、じっさいに行っていただければすぐにわかると思います。

なんと2500基ちかい仏塔がたてられており、しかもその多くは庶民からの喜捨によるものです。
この国の人びとの、仏教にかける思いがつたわってきます。
遺跡はパオ民族のすむ領域にあり、パオ人のガイドといっしょに行くきまりになっています。
インレー湖畔の町、ニャウンシエでタクシーをチャーターし、ガイドをやとって・・・、とそれなりに費用はかかりますが、来て後悔はしないはずです。

無数の仏塔が池にうつるさまは、なんとも幻想的。
第16位
カラル
ペルー 形成期

さいしょ、この順位にはペルー南高地のワリ遺跡を入れようと思っていたのですが、記事を書くために以前の写真を見直していたところ、あまりに地味すぎたので(笑)、こちらのカラル遺跡にしました。
とはいえこちらもそれなりに地味ですね・・・。
この遺跡が世界遺産になっているのは、なんといってもそのとんでもない古さ
(紀元前3000年~紀元前1800年ごろ)のため。
一般に、新大陸の文明は旧大陸のものよりあたらしいと考えられてきましたが、この時期にこれだけのピラミッド神殿群が存在していたとすると、ほとんど旧大陸の四大文明に匹敵する古さといえます。

こちらはカラル最大のピラミデ・マヨール(大神殿)。
高さ22メートルと、エジプトやメキシコのものより小さいんですが、時期をかんがえると、これだけのものをつくるのはたいへんだったと思います。

南米アンデス文明でのこのカラルの発見のほか、中米では日本人研究者らの研究により、マヤ文明の起源が従来かんがえられていたよりだいぶさかのぼることがわかってきました。
新大陸の文明の古さは、旧大陸にほとんどひけをとらないことが明らかになりつつあります。
いい加減、「四大文明」のような陳腐なかんがえ方は、捨てるべきではないでしょうか。

日時計もあります。
次回は15~11位。
ベトナムや、ふたたびスリランカ、メキシコの遺跡など登場予定です。
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この記事へのコメント
私もそれなりに行っていますが、これだけの遺跡を訪ねたというのは凄いことです。危険な体験もあったことかと思います。
おっと、まだまだこれからも登場しますね。
フランスも出てきそう。
ミャンマーのカックー遺跡、確かに無数の仏塔の荘厳さに圧倒されます。
ただ、確かにやや新しさも感じますね。
まあ、道楽者なので・・・。
危険な目にあったのは、実はあまりないのですよね。
じっさいにスリにあったのは、コロンビアの1回だけですし。
(ほかに2回ほどスラれそうになったことはありますが)
フランスはアルルかオランジュ、ニームの遺跡を入れようと思ったのですが、実は圏外になりました。
カックーの仏塔のほとんどは比較的あたらしいうえ、地震などの天災で崩れてさいきん修復されたものも多いようです。
ただ、この幻想的な景色は世界でも無二とおもいます。
いつもコメントありがとうございます。
けっこう効果を発揮し始めました。こうしてみると、
日本人ってつくづく真面目だなと感心します。
翻って、だったら、なぜもっと早くブレーキを
踏まなかったのという話にもなりますね。
今回はビジュアル的にインパクトのある遺跡が
並んだ気がします。中でも、奇妙な形の仏塔が
建ち並ぶミャンマー、カックーの遺跡が印象的でした。
茨城県独自の緊急事態宣言は法的根拠がなく、まさに「やらないよりはまし」というレベルですが、東京や大阪に出されている「本物の」宣言は法的根拠があるので、効果はあると思います。
とはいえまだ東京で連日千人近い感染者が確認されているようで、まだ時間が必要なようですね。
GOTOの停止遅れが致命的だったと、個人的には思っています。
無数の仏塔がたちならぶカックーのインパクトは、世界でも有数だと思います。
いつもコメントありがとうございます。
エジプトのアブシンベル神殿の移動事業は壮大で、ユネスコや世界遺産を知らしめた出来事。。まさにその通りですねえ^^
コロナも各地で患者数が減ってきているのに、逆に増えてきている石川県TT
ここにきて、ホストクラブとか飲食店でクラスター、ついにあのお気楽知事さんが県の緊急事態宣言^^;まだまだ油断禁物なんですが。今月から営業で嫌でも施設訪問が増えるんで、又手洗い・消毒が何度もする時期になっちゃいます。昨年アルコール消毒のし過ぎで指紋が消えちゃった二の舞は嫌だなあ><;
アブ・シンベルは、よくあんなにデカいものを移築したものだなあ、とつくづく感心しますね。
とはいえ遺跡は本来もとあった場所で保存するのが原則であり、遺跡好きとしては複雑な気持ちもあります。
石川県は緊急事態宣言なんですね。
全国的に新規感染者が減ってきたと思ったら、やはり地域によって時間差はありますね。
どうぞ気をつけてお過ごしください。
いつもコメントありがとうございます。