『中米の初期文明オルメカ』が発売されています

またまた記事にするのが遅れてスイマセン。
待望の(?)オルメカ文明に関する本が発売されています。
『中米の初期文明オルメカ』です。
(^^)


中米の初期文明オルメカ
楽天ブックス
世界の考古学 伊藤伸幸 同成社発行年月:2011年05月 ページ数:255p サイズ:全集・双書 I


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中米のすべての文明の母胎、ともいわれるオルメカについては、これまでまとまった本はなく、メソアメリカの数ある文明のひとつ、として紹介されているにすぎませんでした。
(同じ著者による、『メソアメリカ先古典期文明の研究』はありましたが、かなり専門的な内容です)
このたび、一般の読者でも手にしやすい形で、オルメカのみで1冊の本としてまとまったのは、大変ありがたいことです。
多くの文明の中のひとつという位置づけですと、どうしても簡単に触れるだけで終わってしまいがちですからね。

これまで日本であまり知られることのなかったオルメカ文明も、昨年この本の著者の監修による『オルメカ展』が東京で開催されるなど、しだいに認知度が高まってきているようです。
さて内容を見てみますと、オルメカ文明の栄えたメキシコ湾岸地域の自然環境からはじまって、全盛期のオルメカを特徴づける石彫や建造物、ついでオルメカ文明が周辺地域にいかに影響をおよぼしたか、さらにはオルメカ文明の後継者などについて、順をおって解説がくわえられています。

前書の『メソアメリカ先古典期文化の研究』でも触れられていましたが、オルメカがメキシコ湾岸だけでなく、メキシコ中央高地南東部太平洋側でも強い勢力をもっていたという点は、非常に興味ぶかいです。また、オルメカに特徴的な石彫のうち、壁龕を怪獣の口に見立て、中に人物が座る像などは、遠くマヤにまで引き継がれているというのは、たいへん面白いと思いました。

筆者はオルメカの専門家らしく、メソアメリカの他の文化におよぼした影響の大きさについては、若干の身びいきがあるのかとも思いましたが、現状オルメカがメソアメリカでもっとも古く栄えたという事実はうごかしがたく、全メソアメリカ文明の母胎との考えかたも、もっともであります。
ただ、本書でも指摘されているとおり、文字にかんしてはオアハカ、あるいはマヤが起源であるようです。

惜しむらくは、記述が広範囲にわたっているため、ひとつひとつの記述が比較的あっさりとしたものになってしまっている点です。
どれかひとつの遺跡にスポットをあて、発掘風景などもドキュメント式に説明するとかいった章があったら面白いと思いました。
たとえばエル・マナティ遺跡など、今まで紹介されることの少なかった遺跡ですので、もっと詳細な説明があったらよかったと思います。

もちろん、今までに日本ではなかったオルメカに的をしぼった本ですので、中南米の考古学ファンにとっては、まさに待望の書といえます。
こうした形で、他のメソアメリカの各文明についても(あるいはアンデス地域も)、個別に本が出るようになるといいと思いました。



メソアメリカ先古典期文化の研究
楽天ブックス
伊藤伸幸 渓水社発行年月:2010年02月 ページ数:289p サイズ:単行本 ISBN:97848


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古代メソアメリカ文明
楽天ブックス
マヤ・テオティワカン・アステカ 講談社選書メチエ 青山和夫 講談社発行年月:2007年08月10日


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